「わたし」の中にあるシステム【IFSエッセンス解説】

前回までの解説でパーツとセルフの基本を押さえた上で、今回は「わたし」というものの中身をIFSではどのように捉えるのかについて書いてみたい。

「パーツとは?」の項目で「わたし」についてこう書いた。

「わたしとは何か?」という問いには、多様なパーツを内側に抱えていて、そのダイナミックな相互作用の中で立ち現れる存在とでも言えそうです。

この多様なパーツとは別の存在として、セルフが「わたし」の中心に在る。


多様なパーツのイメージ

パーツを捉える際に、「リソース」「プロテクター」「エグザイル」という視点がある。
リソースはシステムに貢献する資質を発揮しているパーツだ。例えば、私自身の中のリソースに目を向けてみると、以下のような働きがあると思う。
「要素と要素を結びつけて、新しいものを作り出すインスピレーションと発想力」
「複数の資料や文献を理解し、それをまとめ、独自の視点を提供するスキル」
「直感的に本質や本物を嗅ぎ分ける能力」
「薪や山菜、野草などの身近な資源を活用し、暮らしに取り入れるスキル」などなど。
こういったリソースとしてのパーツが働いてくれることで、私のシステム全体も良い感じに機能していく。

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「セルフ Self」とは?【IFSエッセンス解説】

スピリチュアルな伝統の中でよく語られる「存在/質感」
ハイヤーセルフ、魂、仏性、コアセルフ、純粋意識、神聖なエネルギーなどなど。
言ってみれば「悟った状態」。
この状態は内側にも外側に対してもジャッジがなく、落ち着きと明晰さがあって、思いやりに満ちている。愛から生きている、愛そのものという感じ。

IFSではその存在/質感を「Self セルフ」と表現している。

これは修行することで到達する状態というようにも捉えられていると思う。
自分もヴィパッサナー瞑想などを通して、そんな状態を目指していた。
心の浄化を通して、到達できる境地。

この状態が、人間が生まれながらにして持っているエネルギーとつながることで、実はいつでもどこでもたどり着けるものだとしたらどうだろう。
そのためにはセルフのエネルギーを覆ってしまっていたり、セルフ以上に影響力を持っているパーツを認識して、距離を取ること。
大抵は、覆われていること自体に自覚がない。
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パーツについて 補足【IFSエッセンス解説】

セルフ概念を紹介する前に、もう少しパーツに関して補足をしておきます。

「良い/悪いを超えたところ」
Rumiの有名な詩

間違ったこと正しいことという考え方を超えた所に
場が広がっています。そこで会いましょう。


NVCの文脈でもよく引用されていて、「間違っている/正しい」ではなくて、「何を大切にしたいのか」というニーズに注意を向けるということが言われています。
これを自分の内側の世界、つまりパーツとの関係性で実践するのがIFSのやり方。

IFSではパーツを「良い」「悪い」という視点からは捉えません。
すべてのパーツがシステムに貢献しようとポジティブな意図を持って動いている。

例えば、お酒をつい飲んでしまうパーツがいたとします。
「そんなに飲みたくもないんだけど、ついついプシュっとあけてしまうんだよな」という感じ。
その声を丁寧に聴いていくと、「一人の寂しさを紛らわしたい」「自分が孤独だということを味わいたくない」という意図があったりします。
そのパーツのさらに奥には「寂しさ」や「孤独」を抱えたパーツもいそうです。

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パーツとは?【IFS エッセンス解説】

NVC、サイエンズ、マインドフルネスなどなど自分が色々な手法を学んでくる中で、「これは面白い!」と心から思えているIFS (Internal Family System) というセラピーの手法。

そのエッセンスをポイントごとに表現してみたい。
セッションを受けてくださる方への資料的な位置づけと同時に、自分とのつながりや自己共感、自己受容といったことに関心がある方へのインスピレーションにもなったら良いな、という意図を込めて。同時に、英語の資料は山ほどあるけど、日本語のリソースは限られているのでその点でも関心ある方々へ貢献できたら嬉しい。

【パーツとは?】
IFSでは、「わたし」というシステムは内部に複数の人格を抱えた存在として捉えます。自分に厳しい自分、人に批判的な自分、お調子者の自分などなど。その自分の一側面を「パーツ」という言葉で表現します。

みなさんの中にもいろいろな自分のパーツ/側面/特徴といったものがありますよね。
「パーツ」という言葉が部品的なイメージも持っているため、「〜〜な側面」とか「キャラ」とか「〜〜な存在」といった言い方もできます。
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