キメツケの威力と実際の世界

先日、小型の冷蔵庫を某量販店の電気屋さんに回収依頼で持ち込んだ。
「倉庫までご自身で運んでいただくので、お二人とかできてください」と言われる。

この件には2年ほど前の出来事が絡んでいる。
引越ししてきた家に置いてあった不要な冷蔵庫と冷凍ストッカー
場所を取ることもあり、廃棄したくて今回と同じ電気屋さんに持ち込んだ。
その時も「運ぶのは手伝えませんから」と言われていた。

2年前は借りた2トントラックに2台の冷蔵庫を積んで持っていく。
妻と2歳ぐらいの娘も一緒。
お店の人が見るに見かねたのか、手袋をはめながら出てきてトラックから下ろして運ぶのを2人がかりで手伝ってくれた。
自分の力技でやれると思っていたけど、正直助かった。

そして、レジへ。
デカイ冷蔵庫とストッカーだったこともあり、1万8千円ぐらいかかったと記憶している。
レシートを見ると「運搬料」という項目があり、1台2000円ぐらいかかっている。

さて、その場にある情報を統合して、脳は「キメツケ」た。


「えっ、こっちが依頼したわけでもないのに、運ぶのを手伝って「運搬料」だって???しかも、各2000円ずつかい!ちょっと小さめの方は頑張れば自分一人でも運べたのに。」
釈然としないママ、「まぁしょうがないか」と支払いを済ませて帰宅。

自分の中で「キメツケあきら劇場」はさらに展開されていく。
「運ぶのを手伝ったスタッフが遠巻きにこっちを見ているのは、運搬料を取っていることが後ろめたいからに違いない。」
「こっちが了解していないのに。。。一言、「手伝うけど、その分少し費用を上乗せしますけどいいですか」って確認するのが筋だろ。」
「こんな電気屋二度と利用しないからな」などなど。

これが2年ほど前のこと。

そして、昨日。2年前の記憶はやや薄れているし、近場で持ち込みも楽なので同じところを利用。
140リットルほどの冷蔵庫なので、うまくかかえれば一人で運べる。
よいしょよいしょと2年前のことを何となく思い出しながら倉庫まで運ぶ。

そしてレジへ。
140リットルの冷蔵庫、レジの人が表を見ている。「3400円+税」のバーコードをスキャン。
「合計で5390円になります」というのを聞いて、「???」という頭の中。
「アレ、この分ですよねぇ。」と「3400円+税」という部分を指差して確認した。
「はい、これに別途ここから処理業者に運ぶ運搬料が1500円(+税)かかります」とのこと。

「あ〜なるほど、そうなのですね」と支払いを済ませて車へ。
車の中で「アレっ、ということは、2年前の「運搬料」も処理業者に運ぶのにかかる料金だったのか!?」と。
だとしたら、あの時に2人がかりで手伝ってくれたのは純粋な好意だったのか。
小さい子どももいるし、「しょうがないなぁ」という感じでおじさん2人が手伝ってくれたってこと?
そして、いつも通りの手続きで処理業者に運ぶ代金を上乗せしての会計。
ただ、それだけのことだったのか!?

ということで、2年越しでキメツケが緩んだのだけども、その威力を感じた出来事だった。
瞬時にアレコレの情報を統合して「こうだ!」ときめてしまう。
固定する。それを「間違いない」と信じている。

「どうなんだろう?」「どういうことなのだろう?」とオープンになっていない。

「人間の認知の99%はアテにならない」という趣旨のことを、ティク・ナット・ハン師が言っている。確か、ブッダも言っている。

改めて「実際どうなんだろうね?」というオープンな姿勢の大切さを感じている。
サイエンズメソッドでは基本中の基本のところ。
キメツケから探究へ。

そうそう、今回「そういうことだったのか〜」というのも、自分の解釈(あきら劇場)であって「実際どうなのだろうね?」