半農半SB合宿の報告 その1 ホリスティックな学び

2013年10月4日の記事

半農半スロービジネスという生き方から学ぶ
これからの人生をデザインする合宿

ゆっくり村史上初の5泊の合宿となりました。
学生さんが主に参加してくれるかな~と思っていたのですが
時期が遅すぎたこともあるのでしょう、社会人メンバー3名&スタッフ2名での実施となりました。

少人数対応の合宿の良い所は、じっくりゆっくり参加者の方々と向き合えること。対話の密度が高まることでしょうか。

5泊6日もアッと言う間に過ぎ去っていきました。

いきなりですが、最後の食事の際に参加者の面々がつぶやいてくれた「半農半SB合宿ベスト3!」

CHちゃん
3 自然の暮らしって無駄がないんだなぁ
2 納豆づくりをして「本物」を感じたこと
1 人生をデザインするWSで
「やりたいことをやる。やりたくないことはしない」という軸を持てたこと

Kちゃん
3 「自然と一体」を再認識したこと
2 手づくり納豆を食べたとき、未経験の味だったかなりビックリした。そのことで気づきを得たこと
1 外側のことばかりでなく内側をつくっていくということ

HDさん
3 いきなりダウンしてしまった。毒出し=デトックスできたこと
2 パネルディスカッションにて、みんな模索中だということ
皆さんとても自由に生きてる姿をみて、気がラクになった
1 すんなり「これでいいのだ」が腑に落ちたこと


完成度がとても高かった手づくり納豆♪

それぞれたくさん感じて、考えて、整理して、次へのステップが見えて来たようで、とても良い時間&空間になりました。

5泊6日を丸ごと報告するのは、難しいのでポイントを絞ってシェアしますね。

この合宿の軸にあるコンセプトのひとつは以下。

★学びとはホリスティック(包括的)なもの
ゆっくり村プロジェクトでは以下の8つの領域を大切にしています。
食、農、住(暮らし)、医(癒し/健康)、道(自然)、霊(地に足の付いたスピリチュアリティ)、芸(アート)、想(学び)
これらは、それぞれが別個に切り離せるものではなく、有機的につながっています。例えば、「食」にだけ意識を持っていても、それだけでは浅いものになりま す。その食を育む自然、食がもたらす癒しや健康、さらには現代の経済や暮らしの在り方などなど、切り離して考えられるものではありません。
ゆっくり村プロジェクトでは、そのつながりを意識しながら学びを深めるプログラムを展開しています。

今回は、座学あり、畑作業あり、トレッキングあり、パネルディスカッションあり、手づくり実践あり、自分と向き合うワークショップありと盛りだくさんでした。
ホリスティックに学ぶとなると、どうしても盛りだくさんになりますね。


時間がたっぷりあったからこそ「腑に落ちる」ということがリアルに参加者に生じていたと思います。
また、たっぷりある時間の中で、じっくり対話もしました。
そこから生まれるものもたくさんありました。

続く  >>

農半SB合宿 報告 暮らし、「今ここ」から、感想

2012年12月31日の記事

ちょっと間が開きましたが、半農半スロービジネス合宿 報告その3です。

「暮らし」
「そっかぁ、私に欠けてたのは「暮らし」だったんだ」そんな声が参加メンバーから聞こえてきました。暮らすことは、生きること。
ていねいに暮らす。それだけで良いんじゃないかな、そこに全てが含まれているんじゃないかな、そんなふうにも感じますね。
畑に働きかけて自然の恵みをいただき、美味しい食事を料理して、みんなで楽しく食べて、本を読んで学んだり、対話をして気づいたり、掃除をして整えたり。そんなひとつひとつに「生きる」ことの具体的な中身があるのではないかな。

合宿にて参加者と話しをするたびに、そんなことを感じます。
まだまだ日常の実践が追いつきませんが。。。

参加メンバーは日常の「暮らし」とはかなり違った非日常の暮らしをゆっくり庵にて経験することができます。
化学合成物質は使わず、ケータイも最小限、冷蔵庫なし&雑音なし=とにかく静か、食べるため&生きるために身体を動かす、調理やお風呂で火を扱う、などなど。
それがガマンを強いられるものではなく、なんと「心地よい」ということ。それを身体が心が分かっているということ。
なかなか素敵な時間なのです。

「『今ここ』から」
いろいろな経験をした参加メンバー。非日常での経験をどう日常に変化=シフトとして持ち込むか。
単に経験して「楽しかった~」ということではなく、「これからどう生きるか」というところに向き合うのが半農半SB合宿の面白いところ。
ワークシートを使いながら自分と対話し、他者と対話していきます。


(「ひとり語り」という手法で、4日間を振り返り中)

ノイズが除去された暮らしの中での経験は、その人それぞれの感受性を高めてくれます。これまで思っていなかったような「感覚」が自分の中に生まれてきます。
「いつも何となくTVを付けていたのだけれども、そういったことは必要ないんだ」「暮らす、食事や日々の営みを丁寧に行うことの大切さと心地よさに気が付 いた」「田舎暮らしってどういうものなのか興味があって参加したけれども、なるほど~、やりようによっては出来るなぁ、と思った」などなど、いろいろな気 付きが現れます。
気付きをしっかり自分の中で味わって、見える形に表現します。
それを他者と共有し、フィードバックをもらうことで自分の中で大切なことの「再認識」が起きるのです。

こういったプロセスをワークショップ形式で味わいながら、自分自身がこれから「成りたい変化」を明確にしていきます。
片付けをする
禁煙を続ける
マクロビの学びを深める
などなど。
具体的に取り組みクリアできそうな小さな目標を設定し、小さな成功体験をたくさん積み重ねていきます。

「感想」
あっと言う間の3泊4日。具体的な「目標」も設定して、日常に変化を持ち込むようにプログラムはデザインしました。後は、みんな、ひとりひとりがどう「在るか」です。
参加メンバーが書き残してくれた、感想を一部シェアします。

*「自然に寄り添う」「丁寧に暮らす」「食べることは生きること」等が概念だけでなく実感として自分の中に入ってきました。
指示文の中に感じていた違和感、矛盾の理由が分かりました。暮らしていない、自分を置きざり、忙しい=心をなくしている。
「半農半X」の暮らし振りを直に観れたことなどが印象的でした。

*手づくり感と映像などもあって、現代的な部分も上手く取り入れられた合宿で充実した時間でした。
具体的な農・自然体験・ワークショップ・食を通して自分の日常と比較し、見つめ直せる内容で濃く深かった。
自分のありようを今現在の姿のままに見ることができた。自分が本当に求めているものが何なのか良く分かった。
又、これからの目標が明確になった。習慣、身体のケア、食事、使う道具。農、スロービジネスへの未知へ一歩踏み出すこと。
人と自然、自分と自然が寄り添う感覚を味わえて幸せでした。
豊かさの本質を求めていきたいと強く感じた。

*「今後」の生き方についてのヒントをさがすために参加させていただきましたが、ゆっくり庵での日々の暮らし自体が本当に心地よく、この時間がずっ と続くと良いのに・・・、この時間=今後だと良いのに・・・と思ってしまうほど、幸せな時間でした。スタッフお二人の生き方、視点、人との接し方のひとつ ひとつに学ぶことが多く、自分もお二人のような呼吸で日々を歩いていきたいと思いました。プログラムも充実していて、深く学ばせていただきました。

スタッフも毎回学びが多い合宿。
参加してくださる方々との縁や出会いに感謝。
次回は3月に開催予定です。日程が確定したらお知らせしますね〜

akilag

半農半SB合宿 報告 自然 学びと対話

2012年12月17日の記事

半農半スロービジネス合宿
キーワードを軸にした報告その2です。

「自然」
みなさんにとって、自然とはどういった存在でしょうか?
いろいろな自然観があると思いますが、ゆっくり村では「自然と人間が一体であること」「自然に生かされているということ」を大切な視点にしていたいと思っています。
言葉を換えると「ディープエコロジー」の感覚を基盤にしたいということ。

そんな感覚を少しでも感じとってもらえたらな~、と思いながら暮らしを一緒にし、体験プログラムを組んでいます。

今回は、森の中で、ブラインドウォークをやってみました。

目隠しをして、五感で自然を、自分を、他者を感じる。
小雨がパラつく中でしたが、素敵な時間となりました。

「ちょっと体調も悪いし、私は森の中に入るのは止めておこうかな」と躊躇していた参加者もいたのですが、「まぁ、そんなに険しくないし、ゆっくり一緒に行こうよ」と励まし合い森の中へ。
その参加メンバーは、森に入り樹々や水に触れる中ですご~く元気になっていきました。表情が全然違うんですねぇ。自然って本当に優しくて偉大だなぁ、と思います。

他にも自然から頂く素材で、竹筒ごはん&パンをつくってみたり、僕らを包み込んでくれる自然はいつも身近なところにありました。

 

「学びと対話」
合宿では、体験プログラムと並行して座学がいくつも組まれています。
現代的なグローバル化した食の話し。
暮らしをリデザインしていくということ。
スロービジネスとは何か。などなど、チーフ後藤彰が資料や映像を駆使しながら講義をしていきます。
普段見ることが余りない映像もじっくり見ます。

そして、大切なのは参加者との対話。参加者間での対話。

 

ゆっくり村的な対話には3段階があります。
1:自分との対話 内省など。
2:他者との対話 自分では気づいていないことに気づく、再認識する。
3:社会との対話 社会に働きかけること、何か行動を起こすこと、それは社会と対話していることなのです。自分の習慣が変わることや行為が変わることもそうですね。

今回もじっくり対話する時間がたっぷりありました。
それぞれの参加メンバーが、今回の合宿を通して「人の話しを聞く」ということのスキルを高めたんじゃないかなぁ、と思ったり。

ゆっくり村的学びは、座学、体験、対話から構成されているんです。

その3へ続く〜

半農半SB合宿の報告 火、食、農

2012年12月の記事

先日、半農半スロービジネス合宿 3泊4日バージョンを開催しました。
今回は、3名の女性が参加。
狙いとしては、マインドセットを変えていくということ。と~っても濃い時間と経験になりました。

頭での学びと実際の体験を通して、今の社会や経済の在り方をちょっと距離を置いて見てみる。そして、生き方や働き方の違った可能性をリデザインしていく。
今回もキーワードは「自然」と「暮らし」でした。
かなり寒いのでは、と覚悟をしていたのですが、意外と寒さは緩やかな赤村でした。
いくつかキーワードを軸に合宿の報告です!

「火」
薪ストーブを焚いたり、五右衛門風呂を焚いたり、焚き火をして、竹筒ご飯をつくったり、今回も「火」が暮らしの中にありました。
本当に不思議なもので、火があると、みんな安心して、ほっこりできます。
高校まで五右衛門風呂だった、という参加者も居て「懐かしさ」も感じてもらえました。
火は暖を取り、調理をしてくれ、人と人との距離を縮めてくれる優れたエネルギーです。
 

薪ストーブの上には常に鍋ややかんが乗っていましたね。

「食」
今回は初めて、食事をゆっくり村にて全て用意しました。前まではカフェ・クリキンディで準備してもらう部分がいくつかあったのですが。
夕子さん大活躍。食事を作りながらのキッチントークもとても弾んでいましたね。
このキッチントークと食事はゆっくり村合宿の醍醐味のひとつになっています。

マクロビ歴17年はさすがで、素材を見ながら「これとこれの組み合わせが良いかもね」と即興的に料理が次々と出来上がっていきます。

「甘酒を温めていて焦がした by akilagotoh」などのハプニングにも柔軟に対応。甘酒パンが急遽出来上がったり。
毎食「おいし〜」という声が聞こえないことはありませんでしたね。

普段はついついコンビニ弁当、という参加者も毎回居るのですが、じっくり食と向き合う、食の裏側について学ぶということを通して「げげげっ!これは、気をつけなければ」という気持ちになります。
日常での変化をどう起こすか。出来るところから、少しずつ。活力鍋(ゆっくり庵で使用している優れた圧力鍋)を買おうという参加者も毎回居ますね。玄米の美味しさに気づいたら、そこから楽しく変化していけるんじゃないかな〜。

とにかく、食を正すということは、基本の基本ですね。
夕子さんのマクロビ料理合宿なんてのもいずれ開催したいところです。

「農」
自然農の話し、川口由一さんの話しに触れ、ゆっくり庵の畑でも作業をします。今回は、落花生の収穫。そして、その後地にタマネギの植え付け。
かなりテキトーなゆっくり庵の畑。落花生を収穫した後に、その場で思いつきタマネギを植えていきます。無計画。。。
いやいや、畑仕事は即興=ライブなのです。

そしてその後は、キクイモの収穫。1片がこんだけ増える。
「自然はいのちを増やす営みなんです」という川口さんの言葉がリアルに響きます!

そして、収穫した食材はもちろん、食事の時に出てきてみんなの胃袋に入ります。そして、それが生きるエネルギーに変わる。畑、食、わたし。このつながりを感じてもらえたんじゃないかな。

 

その2へ続く〜