数日前に隣町の役場スタッフの有志メンバーと「お互いを尊重するコミュニケーションってどんな質?〜そもそも探究会〜」という場を持つことができた。
1ヶ月ぐらい前に「NVC的なことを学ぶ場を持てないか」という趣旨のオファーをいただき、やり取りをしてきた。
その中で見えてきたのは「NVCやマインドフルネスと言われても、何のことだか分からない」ということ。そりゃそうだ〜。
そして「仕事をしていく中で、コミュニケーションや会議のあり方にモヤモヤする部分もある」ということ。
そこで「対話をしながら、そもそも話し合いとかお互いを尊重するコミュニケーションってどんなことなのかを探究する場」を提案してみた。
以下は企画書に書いたテキスト。
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「ストレスや悩みの大半は人間関係とコミュニケーションに起因する」というフレーズがあります。
例えば、「住民のためにと思って働いているのに、クレームがきてガッカリ」
「上司(部下)とのやり取りに、いつも緊張感があって自然体ではいられず窮屈」
「『これ意味あるのかなぁ』という業務内容であっても、なかなかそのこと自体を話し合う雰囲気にならず、無力感を感じる」などなど。
ココが「お互いにとって心地よいもの」であったら、どんな日々が拡がっていくでしょうか?
「否定やダメ出しのない安心できる対話の場」を設けることで、「コミュニケーション」や「話し合い」ということをググっと掘り下げてみませんか?
そもそも話し合いとかコミュニケーションってどうなっているのか?
「聴けない」「聴いてもらえない」というのはどんな状態なのか?
「話し合う」ってそもそも何をしようとしているのか?
コミュニケーションや話し合いをじっくり見つめることで、これまで当然としてきた習慣やクセとは違った何かに出会えるかも知れません。
それを生かすことで職場はもちろん、家族や仲間との関係性で生じる日々のコミュニケーションの質が変容していくキッカケになるでしょう。 そんな探究の場にお誘いします。
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このお誘いを書いた段階では、当日の内容はまだ明確ではない。
日が迫ってくる中で「さて、当日はどんな場にしようか?」とアレコレ考えて自分の中にあるアイディアと資源をつなげる。
今回は「対話という手法を通して、『話し合い』について探究する」という場になった。
「対話の手法」「サイエンズの探究」「NVCの共感と非共感」を使いながら、
座って話すだけではなく、身体も動かしたり、ペアワークもしたり。
対話の途中で「もし、町長が『財政が厳しいから、給与を20%カットで頑張って欲しい』と言ったら、それを聴くってどんな感じですか?」なんて問いも投げながら。
「え〜、やだなぁ。もう決定事項なのかなぁ」みたいな反応が出る場合が多い。
けど、それは相手の想いは聴いていなくて、自分の中で反応している状態。
「なんでそう言っているのだろう?浮いた財源で何をしたいんだろう?」と問うてみたいという視点も出てきた。
「どうなってるの?どういうこと?聴いてみたい」ここから話し合いや対話が始まるんだよね。
「聴く」って改めて見つめると、聴けてるようで聴けていないことがとっても多い(自戒も含めて)。
そこから、そもそも「聴く」ってどういうことかという問いも浮かんでくる。
当日の対話プロセスから出てきた気づきの一部
「話が盛り上がっている時も、意外と、自分の言いたいことの言い合いになっているだけかも」
「否定や評価があると、安心して話ができない。そして、既存の会議はこうなりがち」
「自分の内面を出すのに怖さがある」
「相手の話を本当に聴いているのか?自分の枠で処理してしまう場合が多い」
「聴くというのは、余白の中で受け止める、理解することかな」
「話し合いの中で、結論や答えを求めがちになる」
「『考え、アイディア、意見』と『気持ち、想い、こうしたい』の質の違い」などなど。
対話の場自体が答えを出すためではないので、何か結論めいたことがあるわけでもない。
「そもそもどうなん?」って自分の中で内省する
お互いの中にあることを話して、それを受け止める
何かの気づきが生まれる
3時間のプロセスはあっと言う間だった。
「トレーニングと一緒で定期的にやらないと、すぐに忘れてしまうので、ぜひ続けていきたい」という想いも場から出てきた。シンプルに嬉しい!
「人と人が本当の意味で聴き合えて、話し合えたら、もっと素敵で創造性の高い関係性や社会がやってくる」とサイエンズやNVCを学ぶ中で思っている。
その「聴く」「話し合い」自体がそもそも何なのか?どんな質なのか?
それ以外のテーマや関心も含めて一緒に深めていきたい。
隣町で近いし、今後の展開がとっても楽しみ。
これまでコツコツ&ディープに学んできたことで貢献できる感じも嬉しいな。
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サイエンズの視点から見た「聴く」についての過去の記事
「言われた」って、どういうこと?
「聞く」「分かる」「やる」の3点セット
なぜか3点セット「言う」「伝わる」「やる」