主夫の日常

ブログ内で、あまり私生活のことを書いてこなかったけれども、実は昨年11月に入籍し、3月に女の子が生まれた。そして、現在、外貨を稼ぐ仕事は育休状態で、主夫モードで過ごしている。

食事を作って、沐浴の準備でお湯を竃で沸かして、天気を把握しながらオムツ洗って干してたたんで、布団も干して、買い出し行ってなどなどなどなど。家族の暮らしベースを整える。
それがひとまず、赤ちゃん出生後のワタクシの仕事。

「よくやれるねぇ」「それはパートナーも助かるねぇ」といったことをよく耳にする。
先日訪ねて来てくれた友人に対しては「まぁ、他に選択肢がないし、勤めに出ているわけでもないしさ」と答えたが、かなり雑な返答だった。
ということもあって、なぜ2ヶ月育休状態にして、共生期間をサポートする選択をしているかを書いてみる。

「平和への道はない。平和こそが道である」というのはガンジーの言葉。
「平和は子どもから始まる」というのは、モンテッソーリ育児関連で聴いた言葉。
ワタクシなりには「平和はオムツ洗いから始まる」といったところか。

この間、NVC含めていろいろな学びを重ねる中で、自分も含めて幼少期の体験が大人になっても大きなインパクトを持つことを理解している。
そこからの回復に大人になってから結構な時間と労力を費やすことも多い。
もし、幼少期にあまり大きなトラウマもなく、安定した愛着を形成できて、世界に対する信頼を構築できたら、その人の本質や創造性をより発揮できるのでは、と感じている。

出産は母胎の中で一体だったところからの分離らしい。分離を経験してから最初の8週間の間に、母子が密着して過ごし、ただただ愛情をたっぷりと受け取って、必要なことがほぼ満たされるように意図するのが共生期間だと理解している。そうすることで、分離や恐れは愛着に切り替わるらしい。

「世界って優しいところだなぁ」
「人って温かいなぁ」
「生きるって、何だか愉しいなぁ」
赤ちゃんの中にそういったモードが自然に育まれるということだろう。
世界への信頼。生きること、いのちのヨロコビ。

2ヶ月育休状態にして、そこに貢献できることは、自分が平和を生きることでもある。


空いた時間でアレコレ手作りすると、何だか元気が出てくる

なんて言っているが、現実は結構シビアだ。
「出産前後の2ヶ月は仕事を入れないとは言ったけど、まぁ、余裕があったら少しぐらいやれるよね」ぐらいに思っていた。
ベイビーが産まれてみると、全く余裕無し!
主夫って、こんなに大変なのか~という中で怒涛の日々を過ごしている。今はだいぶ落ち着いてきたけど。

自分が動かないと基本の暮らしが回らない。赤ちゃんの使ったオムツはどんどん積み上がっていく。
おっぱいのためには、良い食事をしてほしい(既製品の惣菜などは食べて欲しくない)。
授乳していることもあり、かーちゃんは良く食べるし、「お腹減ったぁ」と頻繁に言っている。
赤ちゃんは汗っかきだし、代謝が早いので、毎日沐浴させてあげたい。
布団もジメジメしてくるので、天気がよかったら干す。
「あれとこれをして欲しい」という普通の暮らしや快適さへのリクエストはたくさん聴こえてくる。
そんなことをしていると、外貨を稼ぎに行く仕事などしてられない。
目の前のことをこなしているだけで、1日1日が過ぎていく。

こちらも余裕が無い状態に度々なるので「そのぐらい自分でやれよ」「ゔぉ~ウンザリダ」「そこまでやりたく無い」みたいな反応が良くデテクル出てくる。
新生児の前で小競り合いが起きる。。。
マインドの中は相手を責めるモードになりがち。
「NVCを生きる」なんて言いながら、全然体現できない自分にまたウンザリ。
瞑想する時間もなかなか取れていない。

4週経った時に、ようやく時間を作ってNVC仲間にネット経由で話を聴いてもらった時には、出だしからワケも分からず泣けてきた。
「こんなに自分はアップアップ、いっぱいになってるのか」と自分でも驚いた。
話を受け止めてもらえるだけで、かなり楽になった。

そんなこんなで、だいぶボロボロになりながらも、目の前のオムツを洗う。
家にいて、家族と過ごしながら、暮らしが回る。
「今日初めてこんな動きをしたんだよ」「体重が3000gを超えたね」「実は、今日、自分の中でこんな反応が起きてたんだ」「今日の月は綺麗だね」そんな話をしながら、1日1日を味わう。

今していることが、子どもの健やかさやありのままでOKなところ、平和につながることを信じて。
何かを目指したり、何かを達成するのではなく、今ここで自分が信じる価値を生きようとする。

自分の中に平和をつくる。
相手との関係性に思いやりを育む。
社会に真の創造性が生まれてくる。

まだまだ、自分が平和を体現するところからは距離があるように感じていて、見習い中。
自分の反応に気づきつつ、それを見つめつつ、一歩ずつ。主夫状態はそのプロセスのひとつ。