IFS パーツワークと自己共感

IFS (Internal Family System) というセラピーの手法からいろいろなことを学んでいる。
以前からチラホラと情報は入ってきていた。2017年に参加していたLeardership Program の中でも一回クラスで取り上げられていた。
その時は、気になりつつもあまりピンと来ていなかった。
感覚的には「なんか表面的なマインド(思考)の世界でアレコレやってるだけじゃないの?」というぐらいの印象だった。

数ヶ月前に、なんとなく見たIFSの創設者リチャード・シュワルツ氏の動画(English)がシンプルだけどもパワフルだった。

7分程度のワークがあって、その中で自分の中のパーツの声をガイド付きで聴いていくのだけども、「おお!なんだこれ?何かがシフトしたぞ」という感じがあった(プロセスの内容は忘れたけど)。
全体の概要を学んでみたいな、と思って4月から1年間のオンラインコースに入ってみた。
並行して、youtube上にあるIFS関連のいろいろな動画を見ている。
オススメはデレク・スコット氏による動画(English)

デレクによるIFSの概要をまとめたテキスト(English)もある。

成果を上げているセラピー手法として、整理されていて、とても実践的だ。

NVCで言われている自己共感も、IFSの知恵を借りると、これまでとちょっと違った質になる印象がある。

例えば、怒っている自分に自己共感する時。
一方は「自分の中に怒り」があって、その身体感覚やエネルギーを感じ、その奥にあるニーズ(いのちのエネルギーにつながる)というアプローチ。場合によっては自分は怒りと同化している。

他方で「パーツ」という考え方と「アンブレンド」という手法が入ると、「自分の中に怒っているパーツがいる」と明確に距離を取って「どんな感じなのかな?」とその対象(パーツ)に共感できる。

もうひとつの大切なポイントは、セルフ(Self) という自分の中心にある存在から共感すること。Self にアクセスできていると、パーツに対するジャッジが不在で、好奇心や思いやりのモードで話を聴ける。そして、その状態にシフトするのは、経験上あまり難しくない。

このセルフが内なる対話をするのだが、その中でパーツにどんな感情とニーズがあるのかに触れることができ、場合によっては癒しや変容も生じていく。
多様なパーツとセルフから成る自分というシステムが調整されるというか、調和に向かう感じがある。

今まで自分が自己共感の領域で難しさを感じていたとしたら、それは「自分自身に対して薄っすらとジャッジがある状態で、自分に共感しようとしていた」からかも知れない。
少しでもジャッジがある状態だと、深いところまで届かない印象がある。

IFSで言うところの、別のパーツが入り込んできて、
「まぁ、大したことではないさ」「こういう学びがあったんだよね」みたいな感じで話題の軸をそらしてしまうこともある。
ここで言うジャッジは、価値判断や評価・批判などを含む思考のこと。

「自分の中で何が生じようと(どんな反応が出てこようが)、それをいのちのエネルギーの現れとして受け容れる」という質を生きたい。

「自分を深く見る」「自分を調べる」
「自分の中に潜る」「自分に深く共感する」
これらのことをする際に、具体的にどうやったらできるかという面白いツールに出会えた感覚がある。

ここ数日は、自分の中で生じたことを書き出してパーツマップを作り、「自分」を俯瞰的に見ることをしている。

アメリカでは学校にパーツワークを導入している事例もあるらしい。
生徒も教員も「自分の中で強い感情が出てきた時」にパーツを見にいくようにしているとのこと。
基本のライフスキルとして、そういうことが当たり前のように学べたら良いよね。

面白い研究&探究の素材を見つけてしまった。

パーツワークとNVCの共感を使った3回セットの個人セッションをスタートしました。
興味のある方は気軽にどうぞ。