意図と魅力〜インナーチャイルドの企画

10/8と9で「深い自己共感~身体感覚と呼吸を軸にした癒しと変容」という企画を用意している。分かりやすく言うと、自分に深く潜っていきインナーチャイルドに共感するという意図がある。
主催&案内人の2名は「これすげ~面白いじゃん。自分たちがお客さんで参加したいぐらいだねぇ。すぐ満席になったりして」なんて語っているぐらいの質。
企画の意図&魅力をもう少し解説してみたい。
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そもそも、インナーチャイルドって何なのか?
ベトナム出身の禅僧ティク・ナット・ハン師の言葉を借りよう。
「私たち一人ひとりの中に、苦しんでいる幼子がいます。私たちには誰でも皆、子どものころにつらい思いをした時期があり、多くの人が心に深い傷を残す経験をしています。・・・苦しかった経験に触れるなど耐えられないと思い、心の奥深く、無意識にその記憶や感情を押し込めます。
しかし、いくら無視しても、苦しむ幼子がいないということにはなりません。傷ついた子どもは相変わらずそこにおり、私たちの注意を引こうとし続けます。・・・
私たちはその子を心の奥深くに押しやり、できるだけ遠く離れていることで、苦しみに終止符を打ちたいと願いますが、逃げたところで苦しみは終わりません。・・・
傷ついた子もまた、私たちの体の細胞一つひとつの中にいます。私たちの体にはくまなく、その傷ついた子が存在しています。その子に出会うためには、はるかな過去に目をこらす必要はありません。深く見つめさえすれば、触れられます。今この瞬間にも、その傷ついたこの苦しみは私たちの中にそのままあるからです。」(『和解』(サンガ)pp13-15)

幼少期にあった経験が心の奥深く、細胞のひとつひとつに入り込んでいる。
そして、これはその人が「どう世界を見るか、人を見るか、自分を見るか」ということと関わっている。
先日の内観で体験的に理解したのだけれども、自分のものの見方や捉え方は過去のインプットからしか形成されていない。考えてみれば、当たり前のことなのだけれども。

「私はこういう人間だ」
「世界はこういうもんだ」
「人ってのはこんなものだ」
というその人それぞれの捉え方。
捉え方の中でいつも中心にいて、全てをフィルターにかけてしまう力をインナーチャイルドが持っている。
NVC業界ではこれをコアジャッカルと呼んでいる。

「なんだよ、このコーヒー苦いな!」
「また勧誘の電話かよ。いい加減にしろよ」
「ああ、聞いてもらえている感じがしない」
「あの店員愛想がないな〜」
などなど。これらの「反応」も実はフィルターされている可能性がある。
そのフィルターを自覚できると、より自由になれる。それがありのままに現実を見ることにつながっていく。

昨日自分でワークをしていたら、「不快なものを一人で我慢して受けなければならない=逃げることはできない」という「考え」が自分の中に深く根ざしていることが見えてきた。
これは誰にも話したくもないし、思い出したくもない幼少期の経験と結びついている。

他の人から見たら「へっ、そんなこと思ってんの?」というぐらいのものなのだけども、本人にとってはとても強固。
ある種の強い思い込みやキメツケ、信念。

多くの人が自分特有の捉え方を「自分の性格だ」と受け入れてしまう。時には「これがありのままの私」と言ってみたり。
けれども、ありのままの私はそういったフィルターを外したところに存在している。それは囚われから自由な存在。

インナーチャイルドに向き合うプロセスがなければ、40歳になっても、50歳になっても、あるいは80歳になっても、その囚われから自由になれないかも知れない。
自分のフィルターを外してみると、世界は、人間は、自分はどのように見えてくるのだろう。そこには自由で多様なものの見方と、軽い意識があるだろう。
脳科学の世界はで、脳は可塑性を持っていると言われている。私たちの脳は死ぬまで変化し続ける。私たちの認識の枠組みは変化し得るのだ。

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今回はこの向き合うプロセスを身体感覚と呼吸、そして共感というツールをつかってじっくりやっていく。
「誰かに癒してもらう」ということではなく、自分の内側につながることで気づきや洞察、変容が生まれてくる。この時の鍵は、頭ではなく、身体感覚が握っている。

自分に深く向き合う際に頭の領域だけでやっていると、マインドは自分を守ろうとしてセーフティーネットを用意する。「これ以上進んだら危ないぞ」とささやくのだ。そこで引き返したら変容は中途半端に終わるだろう。
その一線を越えて限界を突破するには身体感覚を深く深く感じ味わっていく必要がある。「エネルギーの流れを止めず、セイフティーネットが壊れるところまで突き抜ける」そんなイメージ。
これまでヨガやアーユルヴェーダ、マインドフルネスなどを学んできて、今は呼吸にいきついている真美ちゃんが軽やかにリードしてくれる。
人間、底をついたら上昇してくるし、共感マッスルがかなり鍛えられている案内人2名のサポートがある。この点はとても贅沢&安心だ。

今回の「深い自己共感」とは、自分の中の傷ついた幼子=インナーチャイルドに気づき、会いに行き、必要としていることへ寄り添うこと。
そしてどうそれと付き合い対処していくか。ベースとなる考え方と実践の枠組みを体験的に理解してもらおうと思っている。当日のプロセスでかなり軽くなる人もいるだろう。

寄り添うプロセスを21日間ほど続けると、脳の神経回路が組み変わり、認識の枠組みが変容するとも言われている。一人ひとりがより自由でイキイキと生きることができますように。

今回コラボする真美ちゃんとお互いに持っている経験や知恵、スキルを総動員して場を作る。良く言えば二人ともブレない軸と枠にはまらない柔軟さを持っている。別の視点からみると、ガンコさとゆるゆる感かも知れない。
このコラボのもと、芋虫が蝶になるプロセスで、さなぎの中で確かな変容。
そんな場を一緒に味わいましょう。

PS: 以前自分の中で生じたプロセスについて書いた記事はコチラ『コアジャッカル/インナーチャイルド』