共生期間を過ごしてみた

前回、共生期間の考え方について書いてみた。
で、「実際やってみてどうだったのか?」を今日は書いてみたい。

我が家は自宅で出産した流れで、産後は家で母子が過ごすというスタイルだった。
3人暮らしがスタートしたが、家事全般を一人で切り盛りすることが予想以上に大変だった。
「普段から家事はやっているし、まぁ、大丈夫だろう」ぐらいの感じでいたが、全く違った。
パートナーと赤ちゃんのケア、家事(しかも我が家は薪風呂だし、スイッチひとつでお湯は出ない、たのしい不便たが沢山な家)、買い出し、布オムツの洗濯などなど。まさにドタバタとこなしていた。

実はフル回転でやっていたら、2週間目ぐらいで息切れして倒れた(一晩眠ったら回復したけど)。
赤ちゃんも育つし、母親も回復してくるので4週目ぐらいからは徐々に余裕が出てきた。
8週間経ったら母親がバリバリ動けるのか、といったらそうでもないので、主夫仕事はしばらく継続。

助産師さん曰く、産後の母親は「全身複雑骨折状態(あくまでもイメージ)」らしく、本当に休息が必要とのこと。
また、母親と赤ちゃんが密着しているとなると、家事はしないことになる。
母親に休息が必要となると、2ヶ月ほど密着して暮らすという共生期間はむしろ理に適っているのだと思う。
赤ちゃんにとっても、母親にとっても必要な期間なのだなぁ、と過ごしながら感じていた。

自分はフリーランスなこともあり「育休」状態で良いや、という気持ちだったのでやれたが、普通に勤めていたら、こりゃ無理だわとも感じた。
「子どもがひとり育つには、村がひとついる」といった言葉を聞いたことがある。
人とのつながりの中でサポートを得ながらじゃないと、赤ちゃんが初期に育つ環境が殺伐としたものになりそうだ。社会的なバックアップももっとあったら良いと感じる。

僕らも産後に友人たちが差し入れを持ってやってきてくれたが、それがものすごい嬉しかった。
そこでいろいろな話ができるのもこころの支えになった。
親族からのサポートもありがたかった。

8週間に渡り共生期間ということで赤ちゃん中心の暮らしをしてみて、どういったインパクトが赤ちゃんにあるのか?
正直比較のしようもないし、因果関係があるのかも分からないので、なんとも言えない。
敢えて言えば、夜泣きがない(夜に泣いてどうにもならなかったことは、1〜2回ぐらいだけ)。
表情が豊か(といろいろなところで言われる)。
比較的おとなしい・落ち着いているようだ(最近は上映会などにも出かけているが、ぐずってどうにもならないという状況にはならない)。
幸せそう&楽しそうに育っている、と思う。

では、自分(父親)へのインパクトはどうか?
ほぼいつでも身近なところに赤ちゃんがいること、その変化を感じたり、存在を感じたりできていることが大きな幸せ。
そして、なんとも言えないレベルでの「つながり」を感じている。
10週目ぐらいに10日間ぐらい「離れる」経験をしたのだけれども、自分の腕には赤ちゃんの存在感やぬくもり感がしっかりとあって、「ああ、つながってんだ。大丈夫だな」という強い感覚があった。
これも共生期間があったからなのかは分からないけれども、自分自身も赤ちゃんに対して愛着を形成していたのかも知れない。

そう捉えると、産後に意図的に赤ちゃんと母と父が密着して暮らす、時間を過ごすということは、家族をやっていく点においてとても理に適っているのだと思うようになった。
そんなことが楽々できる安心ベースの社会や関係性であって欲しいと切に願う。
平和は子どもから始まる。