お茶の自給

春になると、植物が芽吹き出す。
その柔らかな新芽や葉っぱを活用してお茶を仕込む。

先日、赤村にて大先輩からお茶摘みと製茶を一通り習った。
お茶は毎度よく飲むので手づくりしてみたいなぁ、と思っていた。
ある山の中に茶の樹があることを発見していたので、茶摘みと製茶を自分でやってみた。

「一芯二葉」という言葉があるのだが、お茶を摘む時に芯1つと葉2つまで摘むということ。その辺は柔らかくてお茶に向いている。
ザックに一杯取ろうと思って意気込み充分でスタートするも、全然たまらない。
1時間半ぐらいトリの声を聞きながら作業。ザック5分の1ぐらいは収穫できたのでよしとした。
昔、インドの茶園でひたすら茶摘みをする人達と少し交流したことがあったが、自分でやってみると、彼らがいかに手際が良いかが分かる。彼らは1日中ぶっ通しで茶摘みをしてるのだよなぁ。
そのお茶が買い叩かれるケースが多い世界の現実。安い紅茶に手を出したくないなぁ、と改めてそんなことを思いながら、家に帰って製茶。

製茶は「釜煎り茶」という方法。中国式らしい。
フライパンに茶葉を入れ、水を足して蒸し煮状態にする。

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そして、その茶葉を揉んでいく。
習った時は2回しかしなかったが、別の資料を当たっていたら6回程度するとの記載があった。
揉んでいくプロセスの中で、徐々にお茶屋さんの匂いがしてくる。
回数は目安として、匂いで製茶具合を判断することに。
炒る、揉む、炒る、揉むの繰り返し。
炒るのは七輪&竹炭を活用。
なかなか水分が飛んでいかない。結局1時間近く掛かったと思う。
ぱりぱりになるまで炒ると資料にはあったが、そこまでするとほうじ茶になってしまいそうだったので、ある程度で止めておいた。
そして、半日天日干しをして仕上げた。

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見た目もなかなか良い感じ。
お茶をいれると緑茶とほうじ茶の中間のような味。
自分で摘んで来て、製茶して、ゆっくり味わう。
かなりの贅沢だ。
製茶の仕方や茶摘みの時期でお茶の味も変わるだろう。
画一化されたものではなく、そのタイミングでのオンリーワンな味。

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今年は時間に余裕があるので、よもぎ茶も仕込んでみた。庭の畑にいくらでも生えている。

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4月下旬頃に若い葉っぱを収穫して干す。そして、炒る。これも意外と美味しい。

これからの時期は柿の葉茶がいける。ビワの葉もやれるね。ドクダミもありだわな、と考えていくと自然の与えてくれる力と寛容さをありがたく感じる。
自然が身近にあれば、お茶も簡単に自給(自然から給わること)ができる。

酒を飲まなくなっているので、お茶の違いを味わうのが愉しみになっている。