ヴィパッサナー瞑想 奉仕者

僕はこの4年の間に3回をヴィパッサナー瞑想の10日間コースにて生徒として座っている。
そして、この3月に以前から気になっていた奉仕者(サーバー)としての参加をすることが出来た。
とある仕事がキャンセルになったので、奉仕者に申し込んだ。そしたら「では、今日から禁酒してください」というお達しが。
ちょっと自信がなかったのだけど、良い機会なので2ヶ月断酒することになった。

danmab

生徒として座るのと、奉仕者として参加するのは「全然違う」経験だった。
両方がそれぞれ奥深い。奉仕者はメンバー同士でしゃべれるし、自分の時間も持てる。
生徒は一日14時間ぐらいは座っているのだが、奉仕者は最低3時間の瞑想。
食事の準備や掃除などの奉仕仕事の間に瞑想が入って来る。
せっかくだから、なるべく多く座りたいと思い、空き時間や早朝などを利用して、1日6時間座るようにしていた。
だが、最初は全然集中出来なかった。集中力が高まって来る感覚がなく、漫然と座っているという経験を繰り返していた。「集中出来ない」ということに焦り、更に集中できなくなっていた。

6日目に先生の計らいもあり、「1日生徒」としてじっくり座る機会をいただけた。それを機にようやく集中力が戻り出した感があり、その後は良い状態で座れていた。

今回、奉仕者として従事するなかでの大きな気付きのひとつは自分の中の「反応」についてだ。
「以前なら、これはイラッとしているな」という場面で、冷静な自分がいることに気付く。
「心が浄化されると、反応が生み出されなくなる」ということを経験的に理解する。

心の反応に関して、4段階ぐらいあると思う。
1:反応に飲まれてしまう。カーっと来て、怒りに飲まれる=out of control な状態。
2:反応に気付きつつも、止められない状態。「あっ、今怒りモードだな」と思いながら制御ができない状態。
3:反応に気付きちょっとがんばって制御ができる状態。
4:反応が生じず、「以前ならこの場面で怒っていたよな」と気付いている状態。

今回の奉仕仕事の中で、3や4の状態がかなりの割合を占めていた。
いちいちイライラしたり、人に対して批判的になったりということが「生じない」。不思議なことなのだが、気にならないのだ。
余裕があるというか、冷静でいられるというか。まだまだ修行が足りないと自分で思う場面も多々あったが、瞑想を通して慈愛のこころが養われるということも実感することが出来た。
生徒として14時間座るのも良いけど、奉仕仕事をしながら瞑想センターの空気を感じつつ、座り、自分を見つめるというのもすごく良い時間だった。
生徒として座ったことがある人は、奉仕参加もかなりお勧めの経験です。