NVC+実践練習会というオンラインのクラスをやっています。
先日のテーマは「つながりを阻むコミュニケーション」。
その中で「自分の感情や行為への責任の否定/自分の感情や行為への責任を取る」というトピックについて、質問があってやり取りをしたのですが、そこにあるエッセンスをシェアします。
以下は、どこまで行っても、自分の感情は自分の中で生じることだというお話です。
クラスの中で以下のニュアンスのフィードバックをもらいました。
「自分の感情の責任が自分にあるというのがしっくりこない。例えば、相手から傷つくようなことを言われた時に、その責任が自分にあるってどういうことですか?」
「相手に悪意があって何かを言ってきた時に、そこで生じる感情が自分の責任というのは、なんだか良くわからない感じがしてきます」
NVCの原則から見ると「他者の言動は自分の感情の「キッカケ」ではあっても、「原因」ではない。原因は自分自身のニーズが満たされているか、満たされていないかにある」となります。
ココからは自分の見解メインです。
相手の言動はキッカケにはなるし、「インパクト=影響」はあると思いますが、最終的にどんな「反応」や「感情」が生じるかは、どこまでいっても「当人のもの」と捉えます。
なので、「相手に悪意がある」とか「嫌なことを言うやつだ」と矢印を外に向けたくもなるのですが(自分も良くその状況に陥りますが)、そこで「自分の中で何が生じているのか?」と矢印を自分に向けることが大切になります。
「悪意がある」「嫌なことを言うやつだ」みたいな思考が始まると、なかなか相手の人間性を見出すことが難しくなり、対立構造が生まれたりします。
ここには「自分がそう捉えているのだ(自分劇場なのだ)」という自覚が大切。
「そう捉えている」自分に矢印を向ける。「あれ、自分の中で何が起きてるのかな?どうなっているのかな?」と、自分に寄り沿う。
これが自己共感になります。
この自分への向き合い方、寄り添い方を知っているのと知らないのでは、世界も人生も違ってくると思っています。
学んだからすぐにできるということでもなく、練習や日々の積み重ねが鍵となる領域です。
クラスの後に考えていたのですが、例えば「殴られた/叩かれた/いじめられた」というような状況下で、そこで自分にどんな感情が沸き起こるか?
それを、自分がそう捉えているとか、自分の中で生じていること、と言い切れるのか?という問いが浮かびました。
自分だったらすごく嫌な気分になるだろうし、「それは相手の責任だ!」と強く思うかもな、と。そして、大半の人がそう思うんじゃないかな、なんて思考も出てきます。
さて、ちょっと想像してみてください。
自分がもしM・ガンジーだったら、その状況にどんな対応をするでしょうか?
彼は銃で撃たれ、死にゆく状況下で自分の額に手を当てたそうです。それはイスラム教の「あなたを許す」というサインとのこと。そして「おお、神よ」とつぶやきながら息を引き取ったと言われています。
ガンジーの中にはどんな気持ちがあったのでしょうか?
悲しみでしょうか、優しさや慈悲のこころでしょうか?
こう考えた時に「相手の言動は自分の感情のキッカケだが、原因ではない」ということが自分の中で腑に落ちます。
みなさんは、どんな風に受け取られるでしょうか?
自然に沸き起こる感情があるのはあります。
自分の中で起きる反応があるのはあります。
その感情や反応自体に「どう対応するか」、そして外の世界に「どう対応するか」という点では、選択肢はたくさんあります。
何か自分にとって不快に感じられる発言を相手から聴いた際に、
相手に対して批判的・反応的に返すこともできるし、
自分の中で生じていることを探究することもできるし、
「ふーむ、どうしてそういうことを言うのかな?どんな感じなの?」と関心をもって相手と関わることもできます。
最近、自分の内面に潜っていくプロセスを展開していく中で「千手観音」のイメージが出てきました。
「刺激に対して反応する」という自動操縦状態に自分を置くのではなく、無数の選択肢/手を持っていて、いつでもどんな対応でも選べる在り方。
自分にはまだまだその在り方が確立していませんが、常にイメージしておきたいな、と思う今日この頃です。
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ここで語られている「自己共感」というスキルを複数のアプローチから体感的に学び、日常でも実践していく意図を込めた5回シリーズのオンライン講座を組んでいます。
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