今回のIITを担当していたトレーナーにサラ・ペイトンさんがいた。
何と、2016年10月中旬に来日して、いろいろなワークショップを展開してくれる予定だとか(詳細が分かったら、追って情報をアップします)。
ぶれない存在感、慈しみと愛に溢れた在り方、脳科学とNVCを組み合わせた手法などとても魅力が一杯だった。終始サラのクラスを受講していたメンバーもいた程。
僕がサラのクラスで感じたことを少し紹介してみたい。
結論を簡単に言うと、先祖とのつながりだ。
彼女のキーコンセプトのひとつに「トラウマ」がある。僕自身はあまり強烈なトラウマ体験を持っている感じがしてないので、そこまで興味がある領域ではなかった(そう思っているだけかも知れないが)。
しかし、「世代を越えたトラウマ」というコンセプトには驚かされた。その延長線上で細胞の話がされた。子どもは自分の中に母親の細胞を持っているという説があるという。もっと驚いたのは、母親も子どもの細胞を持っているということだ。
不思議な感じもするが、ある意味で胎内で一体だった2つの存在。細胞を相互に分け与えていても不思議ではない。
ということは、脈々と母系の細胞が引き継がれているとも考えられる。父系はどうなっているのか、確認しなかったけど、遺伝子レベルではたくさんの情報が継承されているだろう。
遺伝子レベル、細胞レベルに刻み込まれたトラウマが世代を越えて私の中にもある可能性。
この話を聞いた時に「うわー、そんなどうにもならんような要素まで持ってしまっているのかぁ」と打ちひしがれた感じがした。
先祖代々の記憶やトラウマが自分に入ってしまっている。恐らく、深く。
自分と言うものの成り立ちがかなり複雑でこんがらがっている感じがしてくる。私であって、私の範疇に納まらない。
この先祖と出会うサラのワークに「ファミリーコンスタレーション」という手法がある。コンスタレーションは「配置/星座」を意味する。
数日IITの会場で共感をたっぷり受け、感性が鋭くなっているせいもあったと思うが、先祖と出会うワーク自体がとても深いものだった。
僕は母方の祖母に出会った、と思っている。ペアを組んだHさんが何となく雰囲気的に祖母に似ていたこともある。
彼女が伝えてくれたのは次のようなことだった。
「私はあなたのことが大好きよ。いつも見守っている。あなたは自分の道を行きなさい。私がそうやってきたように、自分の納得行く道を進めば良いの。心配しなくても大丈夫、あなたは全てを持っている。私は、あなたがあなたであることがとっても嬉しいわ。」
今、思い出しながらこれを記述しているだけでも、自分の中心がじんわりと暖かくなり、その場の状況がありありと甦ってくる。
ワークに入ると、不思議と自分の中に何か違う存在からの感覚が沸き上がってくる。そして、自然と言葉が紡ぎ出される。別の存在としてのリアルな感覚。
考えてみれば、遺伝子レベルではつながりがあるのかも知れない。世代を遡ると、皆が兄弟姉妹といった話も納得できる。
祖母から言葉をもらった時に、自分の在り方に対して、大いなるバックアップ・支援・応援があるんだなという気付きがやってきた。自分の生き方や人生を全て自分がコントロールしている訳ではない感覚は以前からあった。いろいろなつながりの中で、今の生き方を共同実験している感覚。それにプラスして「家系」という流れの中でも大いに後押ししてもらっているという実感が沸いてきた。
「私がそうしてきたように、自分の思うように生きなさい」というメッセージは単純に嬉しかった。そこに、祖母との深い共感がある。
これまで、あまり先祖や家系というものを意識して生きてこなかった。今回のことをキッカケに、少し興味が出てきた。自分というものの成り立ち。
それは、もっと広い視野で見ると人類にもつながっていく。「家系」にとらわれない広い意味での先祖。そこへの畏敬の念や祈りの想い。
何だか、自分の「枠」が拡大していく。今まで以上に「今、この瞬間に感謝して、たのしく、自分の本質を生き抜こう」と改めて思う。