「セルフ Self」とは?【IFSエッセンス解説】

スピリチュアルな伝統の中でよく語られる「存在/質感」
ハイヤーセルフ、魂、仏性、コアセルフ、純粋意識、神聖なエネルギーなどなど。
言ってみれば「悟った状態」。
この状態は内側にも外側に対してもジャッジがなく、落ち着きと明晰さがあって、思いやりに満ちている。愛から生きている、愛そのものという感じ。

IFSではその存在/質感を「Self セルフ」と表現している。

これは修行することで到達する状態というようにも捉えられていると思う。
自分もヴィパッサナー瞑想などを通して、そんな状態を目指していた。
心の浄化を通して、到達できる境地。

この状態が、人間が生まれながらにして持っているエネルギーとつながることで、実はいつでもどこでもたどり着けるものだとしたらどうだろう。
そのためにはセルフのエネルギーを覆ってしまっていたり、セルフ以上に影響力を持っているパーツを認識して、距離を取ること。
大抵は、覆われていること自体に自覚がない。
例えば、誰か特定の人物に対して怒りがある時。「自分=怒り」という状態。
相手に対して思いやりや愛のモードでいるなんて到底難しい感じがする。

そんな時に、自分の中の怒っているパーツと距離が取れたら、そこにスペースが生まれ、自分の中に落ち着きが出てきて、「相手はどんな感じなのだろう」と興味が出てきたりもする。
「自分の中に怒っているパーツがいるな」という意識の状態。

パーツと距離が取れていると、セルフエネルギーが自分の中にあることに気づける。
その状態は以下の「8C」という資質で表現される。

Curiosity:興味関心を持って接する姿勢。
Compassion: 慈悲のこころ。思いやり。
Calm: 落ち着き。マインドフルな状態。
Courage: どんなパーツや反応が出てこようが勇気を持って接する姿勢。
Clarity: 明確さ。より深い理解。
Confidence: 自信。ぶれない姿勢。グラウンディングした状態。
Connectedness: つながり。自然や他者、社会、世界とのつながり。
Creativity: 創造性。違う視点から捉える機転やインスピレーション。

これらの内のいずれかの質が40%ほどでも良いので感じられれば、セルフエネルギーとつながっている。
それが100%マックスじゃなくても大丈夫。100%の状態であれば、それは「悟った状態」かも知れない。

ちなみに、上記の8C以外にも「喜び Joy」「辛抱強さ Patience」「優しさ Kindness」「感謝の気持ち Gratitude」「粘り強さ Persistence」「平静さ Equanimity」「遊び心 Playfulness」「愛 Love」といった質もセルフの特徴と言われてる。

これらの資質は、修行したり鍛えたりで達成されるものではなく、いつでもどこでも誰の中にもある。その人がどんな人生を生きてきたかに関わらず、セルフは本来の私としていつでも在る。
仮にその人がどんなに辛いトラウマ経験を持っていたとしても。

パーツと距離を取ることでつながれるセルフという状態。
このセルフの状態からパーツの声、経験に耳を傾けていく、内的対話を展開していくことがIFSプロセスの中心となる。