セルフ概念を紹介する前に、もう少しパーツに関して補足をしておきます。
「良い/悪いを超えたところ」
Rumiの有名な詩
間違ったこと正しいことという考え方を超えた所に
場が広がっています。そこで会いましょう。
NVCの文脈でもよく引用されていて、「間違っている/正しい」ではなくて、「何を大切にしたいのか」というニーズに注意を向けるということが言われています。
これを自分の内側の世界、つまりパーツとの関係性で実践するのがIFSのやり方。
IFSではパーツを「良い」「悪い」という視点からは捉えません。
すべてのパーツがシステムに貢献しようとポジティブな意図を持って動いている。
例えば、お酒をつい飲んでしまうパーツがいたとします。
「そんなに飲みたくもないんだけど、ついついプシュっとあけてしまうんだよな」という感じ。
その声を丁寧に聴いていくと、「一人の寂しさを紛らわしたい」「自分が孤独だということを味わいたくない」という意図があったりします。
そのパーツのさらに奥には「寂しさ」や「孤独」を抱えたパーツもいそうです。
あるいは、「なんて自分はバカなんだ」とつぶやいている声/パーツ。
これも丁寧に聴いていくと、「親しい人からバカだと言われるのは耐え難いから、自分で自分をバカだと称して、ショックを和らげようとしている」という意図があったりします。
こういったポジティブな意図、NVCで言う「ニーズ」をパーツはそれぞれ持っています。
自分の中の「変えたい部分」や「嫌な部分」、「受け入れ難い部分」であっても、そのパーツにも何らかの意図やニーズがあるのです。
そう捉えると「このパーツはどんな意図で動いているのだろうか?」と興味が湧いてきたり。
そんな視点からパーツの声を聴いていく、そこにどんな経験や背景、意図があるのかに寄り添っていく。このプロセスがパーツワークの核となる内的対話になります。
では、このパーツ達の声を聴いていく主体はどこにいるのでしょうか?
セラピストが聴きてあげる、あるいはセラピストに聴いてもらうのとは違います。
パーツの話を聴く主体こそが、セルフと言われる存在になります。
というわけで、次回はセルフについて説明してみます。
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