田植えとイノチの土台

2週間前のことだけれども、今年の田植えが無事終了。
土日の2日間はイベント的に人に来てもらって一緒になって赤米の田植え。
日曜は雨の予報だったけれども、天気も回復し、途中晴れ間も出た。

子ども達が3人来ていて、反応が面白かった。
初めは田んぼの妙な感触とワラワラと出てくるオタマジャクシやアカハライモリ、アメンボなどに驚いていた。「ぎゃー、ムリムリ」といった感じの反応。
けれども、時間と共に環境に慣れたようで、後半は生き物を捕まえたり、田んぼの中を動き回り楽しそうに過ごしていた。
「カエルも捕まえられるようになったよ~」と嬉しそう。
自然に触れることで、野生の感覚が培われる。

IMG_0769

自給用の田んぼは一人で植えた。山奥の静かな集落にある田んぼに一人たたずみ、黙々と植える。いろいろな思考も出てくるけれども、自分を向き合ったりもして瞑想的な時間。
実はひとりでする田植えは、それなりに至福の時間なのだ。そして、一年生きていく儀式のような感じもしている。

IMG_0767

植えながらふと気付く。「ああ、僕はこの目の前の田んぼに10年イノチを支えられて来たのだなぁ」と。この10年のイノチの土台がここにあったと思えて感慨深かった。
田んぼは田んぼだけで独立して成立しているわけでもなく、雨が降らなければ水は来ない。水路も必要。お日様が照ってくれなければ稲も育たない。微生物が有機物を分解し、土壌の養分となる。自然界の多彩な営みの中で、田んぼが成立し、そのフィールド内で、アメンボ、イモリ、カエル、クモ、オタマジャクシ、ヒトなどなど、たくさんのイノチが支えられる。

「自給自足」って何でも自分の力でやる、といった感じの捉え方をしていた時期もあったけれども、自分がしていることなどたかが知れている。
「自然から給わり、自ずから足るを知る」が、自給自足の本来の意味だというコメントをどこかで読んだ。
深い所で本当にそうだな、と感じる。

IMG_0798
(田植え後2週間の稲)

さて、今からは水田の草対策が必要になってくる。8月上旬ぐらいまでに対応したい。
田の草取り体験をしたいヒトがいたら、ぜひ声を掛けてください。別名グラウンディング体験です。