2013年10月14日の記事
今回の合宿ではいろいろなものを手づくりしました。
手間ひまを掛ける暮らしを実体験です。
★麹
初日にはスタッフが麹を仕込んでおきました。参加メンバーが到着した時には仕込みが完了。これが麹菌の活動によって日に日に熱を発し、香りを出し、成長していきます。
様子を見ながら、撹拌したり「熱がかなり出て来たね」なんて話しをしたり、変化を一緒に感じていきました。
麹の手づくりってハードルが高い印象があるかと思うのですが、意外とできちゃいます。
仕込みから48時間ほどで麹は完成!
この麹から塩麹(重量の20%の塩とヒタヒタの水)、醤油麹(ホンモノの醤油を重量の50%程度入れる=様子を見て継ぎ足す)、発酵ライスジュース、甘酒などを仕込みました。
日々味が変わるライスジュースや甘酒。菌の活動と発酵ということを全身で感じていただけたかな。
★ゆずコショウ
この地域ではこの時期に手づくりするゆずコショウ。庭にあるゆずの青い実と隣の畑のおばあちゃんからもらった青コショウ(青トウガラシ)、そして天日塩を使って仕込みました。
ネットに出ているレシピを参照しながら「コショウの種を除ける?」「辛くなくなるよ」「辛すぎてもねぇ」「じゃぁ、もっとゆずの皮が多くても良いんじゃない?」なんてやり取りをしながらその場で作ってみました。
一期一会の味ですね。
これも上出来で、食事の際には何かと重宝していました。
★納豆
これは何気ない対話の中から出て来たアイディア。「納豆が好きなんだけど、パックが大量のゴミになるし、最近は買っていないんです。玄米に大豆を入れて炊いて食べています。自分で作れれば良いんでしょうけど」と参加者のHさん。
「作れるよ。やってみようか」ということになり、いざ実施。
なかなか仕込む暇がなく、宴が終わった後に夜な夜な作業をしました。
天然の納豆菌がたくさん住んでいる稲ワラを利用。稲ワラを煮沸して他の菌を除去し、炊いた大豆と一緒にして温度を40度程度に保ちます。
保温は発泡スチロールに湯たんぽというシンプルな装置。
これで、24時間程度保温すれば、じゃじゃん、出来ちゃうんです。
最終日の朝ご飯は納豆パーティーとなりました。
「これは美味しい!」ということで、みなさん稲ワラをお持ち帰り。
きっかけをくれたHさんは、大豆栽培もしているので、戻ってからさっそく納豆を仕込み大成功したとのこと。
「実際に作るところを見て、こんなに簡単に作れてしかも美味しいと知ることが出来ました。自分で作っても拍子抜けするほど簡単に出来ました。後は食べ過ぎないように注意しなくては(笑)。」とメッセージをいただきました。
そうなんですよね。実際に作るところを見ると「ほほう、こういうことなのか」と理解が断然早く、「これなら自分でもやってみよう」となります。
百聞は一見にしかず!ですね。
暮らしの中に手づくりがある、手仕事があるということ。その豊かさ、たのしさ、充実感は本来的に僕らが求めていることなのではないかな、と思います。
ある参加者は「そう言えば、昔、父は味噌を仕込んだり、野菜を育てたりしてました。昔の家は五右衛門風呂だったし、ニワトリも飼っていたような環境だった。大学に行って一人暮らしを始めて崩れちゃったなぁ。なんだか、原点を思い出した気がします」と語ってくれました。
★みんなのこれからの人生のデザイン
さて、合宿のハイライトは「これからの人生をデザインする」ということ。
ほぼ丸1日を使って、ワークショップ(WS)形式でじっくり自分と向き合います。これも、自分たちで作ったものですね。
このWSだけいきなりやっても、恐らく参加メンバーからひねり出されるものには限界があるでしょう。ここまで過ごした時間、経験、対話、それぞれの気付きがあって、今後の人生の指針が導かれてきます。
WSの中では、これまでの人生を俯瞰する時間も持ち、トータルにこれからをイメージしていきました。
「やりたいことをやる。やりたくないことはしない」
「これでいいのだ」
「職業:わたし」といったコンセプトがそれぞれ出てきました。
大きな方向性を見定めて、日常の営みの中に変化を作り出す。
各参加者は、実行自信度合いが80%以上になる、「これをやりたい/これをこう変えたい」という「目標」を設定。
小さなステップから変化を作っていきます。
「あなたが変わったその分だけ、世界も変わっているのです」
参加者の面々が自分の中に見つけた「種」は半農半SB合宿によって播かれました。その後、どう育つか?「自分を生きる」ということを意識しながら、今後が本当にたのしみですね。
他にも紹介したいことも多々ありますが、
ひとまず、報告おしまい。