life politics and art

ここ一年、田川地域の将来を左右する「ゴミ処理場の建設」というテーマに「エコミュカルネットワーク」を通して関わっている。
当初は「たかがごみ処理場」という感覚だった。そこまで興味は深くなかった。
会議のコーディネーターとして関わる間に「これが地域の将来を左右する重要なこと」という理解がなされた。

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すごく簡略化して伝えると、人口10万程度の1市3町の地域にゴミ焼却場を3つ新設する計画が進んでいる。これから人口もゴミも減るのに正に「20年遅れたこと」をしようとしている。国も自治体をまたいだ広域処理を勧めている。
自治体同士が不信感を持っていて、なかなか協力体制が取れない。選挙の際のリップサービスや行政や議会の詰めの甘さと理解・認識不足などなどが積み重なって現状となっていると思う。
すごく無責任な状況。「こんな次元の低いことで、現実って作られてしまうのか」と愕然とする。

このまま行くと、財政悪化が目に見えている。その分、教育や福祉といった住民サービスの質が下がり、地域の魅力も下がっていくだろう。正に沈下していく。
「これからの時代、いい加減な経営をする自治体は滅びる」とも言われている。

しかし、危機はチャンス。これを機会に「どういった地域にしていくのか」ということを深く考え、対話し、具体的な地域政策に結びつけていけるはず。
「ごみ処理」ではなく「資源循環」を軸にした循環型社会の形成。魅力的だし、ワクワクすることだ。

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一方で、
「もう決まったことだし」
「まぁ仕方が無いんじゃない」
「どうでも良いよ」
という雰囲気もある。

他方で「1つですむのに3つもいらんよ」という合い言葉と共に、状況を知らせ、世論を高め、現実を変えていこうとする動きがある。

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今、僕らの目の前に展開する現実は、僕ら一人ひとりが作ってしまっている。
原発も沖縄の基地も安倍政権の暴走も、根っこは同じなのではないかと思う。
力を持つ層の利害、住民の無関心や無力感、制度設計のバッドデザイン、一人ひとりが目の前の現実に責任を取ろうとしない空気。

もっと一人ひとりが生きることが素敵であって良い。
地域も知性と工夫でデザインされていて暮らしやすくて良い。
人間の営みって、より美しく、たのしく、豊かで、慈愛に満ちているものであって良い。

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本当にそう思うから、今ここで目の前にあること地域に起きていることに関わっている。
「生き方は政治であり芸術である」学生時代に学んだ哲学を生きたものにする。