昨年の12月頭頃に「世界が食べられなくなる日」というドキュメンタリー映画を見た。以前から遺伝子組み換え作物(GMO)には関心があったし、ある程度理解しているつもりだった。が、この映画を見たら「うわぁ~、そこまでヒドイことになってるんだ」と正直ショックだった。
本当に食べられるものが無くなるわ。
そんなこともあり、自分の中でも情報を整理して学び直してみた。
そして、1月には兵庫県三田市にあるギミーシェルターさんでGMOについてのトークを組ませてもらった。
このお店はしっかりとしたこだわりをもって運営しているので、関心の高いお客さんが集まってくださった。
このトークに向けて学び直したことと当日出た意見などを数回に分けて記しておきたい。
実は2008年にスローカフェ・クリキンディにて遺伝子組み換え食品に関する勉強会をして僕はトークをしている。その時の資料を読み返しながら、現在の状況を調べてみた。
この6年ほどでGMOの作付けはかなり増えている。
2013年時点で1億7,530万ヘクタール。日本の耕地面積が大体450万ヘクタールなので、その約39倍にもなる。日本の国土と比較すると4.5倍だそうだ。
すごい広さだ。
なお、この農林水産省のサイトから現状を把握できる。
http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/carta/zyoukyou/index.html
栽培面積割合のトップは大豆(48%) 、そしてトウモロコシ(33%)となっている。
日本が輸入している大豆やトウモロコシがどれだけG MOである可能性があるか?
以下の生物研という団体が公開している表を見れば一目瞭然だと思う。ちなみに、この生物研という組織はGMOを推進している組織。
例えば大豆はどうか?
輸入元は米国、ブラジル、カナダで97.3%を占める。
そして、各国のGM大豆の栽培率は米国93%、ブラジル88%、カナダ94%。ほぼ90%はGMOってこと。
そして、輸入した大豆は大豆油や食品などに多く使われている。
大豆は国内自給率が5%程度。ということは、ほとんどが輸入。
そして、そのほとんどがGMOということは。。。どういうこと?
大豆が食品に加工されるということは、豆腐、納豆、煮豆などなどになるということ。この割合を考えると、スーパーなどに並んでいる「遺伝子組み換え大豆は使用していません」という表示はどこまで信頼できるのか疑問に思えてくる。
外食産業は表示義務がないので、安いファミレスやファストフード系はGM食品オンパレードなんじゃないかと思えてしまう。デパ地下の総菜売り場も怪しいよね。
では、トウモロコシはどうか?輸入元は米国、ブラジル、アルゼンチンがトップ3=88.4%のシェア。
このトップ3で栽培しているトウモロコシはアメリカ88%、ブラジル68%、アルゼンチン85%がGMOだ。
ということは、ほとんどがGMOってことだよね。
そして、日本は輸入したトウモロコシの多くを飼料と加工用に使っているというわけだ。
「コーンスターチなど加工用」というと分かりにくいけど、コーンシロップはほとんどGMO由来だと思って良いようだ。
食品表示のルールと合せて考えると「糖類」や「甘味料」と一括表示してあるものの中には、かなりこの遺伝子組み換えコーン由来のシロップが入っていると想像できる。
(食品表示のルールに「一括表示」というものがあり、いくつかの添加物を複合的に使用する場合には、総称を書いておけば良いのだ。)
相当な量の遺伝子組み換え作物が日本国内に入り、食品や添加物に加工されて流通している。
今回調べていて新しい発見だったのは、遺伝子組み換え技術を用いた添加物の開発が盛んにされているようだ。AJINOMOTOはその研究開発の筆頭のようだ。ということは?どういうこと?
そう、私たちは日常的に遺伝子組み換え食品を口にしているのだ。もはや、避けることの方が難しいと思う。
微量だから影響はないのだろうか?「タダチニ影響はアリマセン」の世界だよね。
cf: http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/carta/torikumi/index.html#1
農水省のこのページのリストを見ると、どういったGMOが開発されているのか、開発している会社はどんなところなのかが把握できる。