2013年3月末に赤村でお世話になっている方から連絡が入る。
「ごとーくん、薪があるけん、取りおいで」。
ラッキーということで、伺うと、その薪はクヌギだと言う。
「シイタケ用に伐り出したのだけど、ウチの分はもう菌の打ち込みは終わったけん、薪にしたら良いよ」と。
「へ〜、これ、僕も菌を打ったら、シイタケ栽培できるんですかね?」と聞くと「できるよ。はっはっは、シイタケ屋さんになるかね」と。
それならば、ということで、急遽大分県の業者から種菌を取り寄せて、作業。
確か、500駒だったと思う。
ドリルがなかったので、インパクトに径の合うドリル刃を装着して、ガシガシ菌を打ち込んでいった。
そして、今年の春まで寝かせておいた。
時々、シイタケが出て来ていないかなぁ、と思ってみて見るが、春までの段階では音沙汰なし。。。
春までこの状態で詰んでおいて、その後、原木を立ち上がらせておいた。
早ければ春先に出てくるとのことだったのでかなり期待していたが、シイタケが顔を見せることはなかった。
けれども、梅雨時期に本当に不定期かつまばらにシイタケが採れていた。
そして、この9月中旬からそれこそ、ニョキニョキとシイタケが生えてくるではないか。
それこそ、雨後のタケノコ状態。雨後のシイタケである。
これでもか、というぐらい生えてくる。
気をつけておかないと、手のひら以上の大きさに開いてしまう。
多い時には10分程度の収穫でこのぐらい簡単に採れてしまう。
たくさんあるし、とても食べ切れないので、近所の人にあげたりもするが追いつかない。
こう言う時は保存食、ということで天日で干してみた。
意外と良い感じの干し椎茸に仕上がってくれた。
山で育った樹を利用して、菌を打ち込んで待つ。
「農民は待機者だ」というフレーズがあるが、そう、待つ。
すると、菌の働きでシイタケが生えてくる。
それをありがたく頂く。周囲にもお裾分けする。
山があって、樹があって、菌があって、豊かさと充足感がある。
ほんと、これで充分。