「麹を手づくりしている」という友人の話を聞いたのは、何年前だろうか?
7年ぐらい前かな?
その時は「すごいことをするもんだ」&「自分には無理だろう」そんな風に思っていた。
その後、知り合った農家から麹の仕込み方、味噌の仕込み方を伝授してもらった。
「販売しているような良い麹はできんけどな、出来損ないでもそれで充分。良い、味噌が仕込める」と。
米を洗い、蒸し上げて、麹菌をまぶす。そして、温度管理。
出来上がりの麹は確かにムラがあったりするが、それでも立派な麹だった。
美味しい味噌がちゃんと醸される。
麹作りの本を読んだり、ネットで調べたりすると
「なんだか、ややこしい」「温度管理などが細かくてハードルが高い」という印象を受ける。
けれども、やってみると、意外と簡単。
5年ぐらいやってきて、大体のスタイルが固まった。
米袋を活用して、加温は1升ビン湯たんぽ、
プラの衣装ケースを保温時の箱として利用。
麹菌は京都の「菱六」さんから。
温度管理&切り返しのタイミングはあまり神経質にならない、
菌を信じて待つ。
こんなに簡単なことなら、どこの家庭でもできると思う。
真夏にはやったことがないが、9月後半には仕込んだ経験がある。
多分、年中仕込めるのだと思う。
とにかく、興味のある人には、一度トライしてみることをお勧めしたい。
眼に見えない菌=微生物の世界。
微生物の活動で米が発熱し出す不思議。
発熱に伴って匂いも出てくる不思議。
そして、そんな菌を活用して、発酵を導くことで
美味しくなる味噌や塩麹、醤油麹に甘酒。
この手づくりの面白さや歓びを「買うだけの消費者」にさせられると奪われてしまう。
手づくりすることで菌との関係性が始まった。
そして菌に生かされていることを実感する。
菌が存在しなければ、人間も存在できない。
そんなちっぽけな存在でしかないんだよなぁ、と麹の発酵を通してつくづく感じる。