GMO(2):そもそも何?健康リスク

「もはや、避けることの方が難しい」遺伝子組み換え作物&食品。
そもそもGMOとは何なのか?

「これまでの品種改良の延長だし、問題ない」といった発言も時々あるが、実態は異なる。
遺伝子組み換え作物は種の壁を越えたところで遺伝子操作をしている。
トマトとトマトの掛け合わせといった次元を越えている。
例えば、大豆に除草剤の成分を分解するバクテリアの遺伝子を打ち込むなど。
サソリの毒性をキャベツに埋め込むといった話もある。

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みんなのバイオ学園HPから拝借)

遺伝子組み換え技術で最も多いのが「除草剤を掛けても枯れない」性質(除草剤耐性)と「虫が食べると死ぬ毒素を持つ」性質(害虫毒性)だ。

これまで地球上で経験されたことの無い実験をしているようなものだ。
こうして作られた作物を用いた食品が遺伝子組み換え食品となる。
なお、現在日本ではGMOの商業的な栽培は観賞用の花を除いてされていない。
試験栽培という形では作付けがなされている。

では、このGMOの一体なにが問題なのか?
大まかに言うと、以下の3点が主に問題だと思う。
*健康へのリスク
*環境や種子の汚染
*巨大企業による支配

【健康へのリスク】
健康へのリスクとしては、遺伝子組み換え技術を用いた食品を長期に渡って摂取した場合の影響が「ない」とは言えないこと。
2012年にフランスのカーン大学教授のセラリーニ氏が率いるチームでラットを使った2年に渡る長期実験が行われた。
エサに1)GMコーン、2)ラウンドアップ(除草剤)を使って栽培したGMコーン、3)ラウンドアップを飲み水に混入させて実験。
これまで、モンサント社などのGMO開発側は3ヶ月程度の実験期間を設定し、それ以上の長期調査を避けていた。
3ヶ月動物実験して問題ないから人間にも大丈夫、という論理だった。
セラリーニ氏のチームが2年に渡り実験した結果は以下(こちらの記事から引用)。

「GMO餌を与えたグループでは、メスが、対照群の2-3倍も多く、しかも早く死んだ。この差異は、GMO餌を与えられた3つのオス集団にも見られた…、 ほとんど常に、対照群より頻繁、かつ早く、メス達に大きな乳腺腫瘍ができた。下垂体は、器官としては、二番目に酷く影響された。性ホルモン・バランスは、 GMOやラウンドアップ処置で変化した。処置されたオス達では、肝鬱血と壊死が、2.5-5.5倍高かった。この病理は、光学と、透過電子顕微鏡法とで確 認した。著しい深刻な腎ネフロパシーも、概して、1.3-2.3倍多かった。オスは、対照群より4倍大きい触知可能な腫瘤を示した …」

そして、この写真が実態を物語っている。
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細胞が、内蔵がガン化しているということだ。

このセラリーニ氏の実験について、コチラに分かり易い動画もある。

ラウンドアップ遺伝子組換え癌腫瘍実験での発見を専門家が討論 (2分30秒)
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ラットで影響があるから、すぐに人間もこうなるという訳ではないかも知れない。
けれども、蓄積されていけばどういった影響が出るかは分からないし、因果関係は証明しづらい。
けれども、感覚的に種の壁を越えた遺伝子操作をした「作物&食べ物」を好んで食べたいとは思わない。調べているうちに、微量でも摂りたくないと思うようになってきた。
だからGMOを使っているかどうかの表示が大切になってくるのだが、日本の規制はザルなのだ。これはまた別途書いていく。

GMOの問題点>> 続く