「感じること」と「信念」の学び

前回はスローライフコーチングで大切にしている「気持ちに寄り添う」ことと「メタスキル」について書いた。
このTOECでの学びと並行して出会ったのが、「感じること」と「信念」という領域についての学びだった。
2013年5月@東京と6月@フロリダで「アバター」という手法を集中的に学んだ。

この経験はすごく深いものだった。
それぞれ9日間のワーク形式の学びなのだが、その間の意識の軽さ、爽快感、人とつながる感覚は驚きの連続だった。
毎日朝8時ぐらいから夜の20時頃まで(だったと思う)ぶっ続けで意識や信念、感じる能力のトレーニングやペアワーク等をするのだが、疲れを知らず、毎日すごい集中力が湧いてくる。
そして、自分の制限がどんどん外れていき、意識がすごく軽くなっていくことを経験した。

その中で学んだことはたくさんあるけど、2点をピックアップしてみよう。

「感じる」ということ
価値判断無しに無生物や生物、信念を「感じる」というトレーニングにかなりのボリュームで取り組んだ。
このトレーニングをした後、ジワリジワリと自分の感じる能力が高まっていることが分かる。
農村に住んでいて、日々、「美しい」と思える事柄や風景、なんてことはない瞬間が「パッ」知覚されるのだ。
意識的に感じることもあるし、知覚が飛び込んでくることもある。
この時に価値判断を伴う思考ではなく、対象そのものを感じ取る注意力が必要となる。

これが高まっている状態だと、インスピレーションや「ああ、こうすれば良いのか」という解決がスッと見えてくる感覚がある。言葉を換えれば直感力が高まっている。

これはコーチングで言う「レベル3の傾聴」=全方位的に相手の語っていることを聴くにつながっている。相手の話している言葉と中身だけではなく、声の質、伝わってくる雰囲気、背後にあるもの等、そういったものを価値判断無しに感じ取っていく。スローライフコーチングは、ほとんどの場合スカイプで声のみのやり取りだが、相手の状況を感じることでこちらの直観も鋭くなっている。

「信念が現実を創る」ということ
今の段階での僕の理解だが、核心的に信じていることが現実を創っていく。
「人生は闇だ」と信じてしまっている人にとって、やはり人生は闇になっていく。
ある出来事を捉える時に、Aさんにとっては希望にうつり、Bさんにとっては絶望にうつる。
それは、その人が持っている信念が価値判断と結びつき、現実を創造しているということだ。

この事実に気付くことで、信念を取り扱う、意図的に変えたり選択したりすることが出来るようになる。人がはまり込んで抜け出せない思考のパタンは変えられない性格ではなく、思い込みでしかない。
「物事は捉えよう」というシンプルなことを深く理解することで、意図的に自分で信念を創り出し、現実を創造していくことが可能となる。そして、今目の前にある現実に対して、自分が責任を持つスタンスが生まれる。現実に対する被害者から創造者への視点の転換。

コーチングの中ではクライアントがどういった信念を持っているのかを価値判断無しに感じることを大切にしている。そして、信念は望む方向に創造していけるというスタンスでいる。
もし、手放したい信念があるのに、手放せない、引っかかっている場合は、他のツールを提示して一緒に歩んでいく。
この辺はヴィパッサナー瞑想で言う「心の汚濁」をどう浄化するかといった視点とも関連してくる(その話はまた別途)。

コーチングの中では、自分の中にある否定的な感情や思い込みを無理矢理ポジティブに持って行くといったようなことはしない。
ちゃんと自分の「気持ちに寄り添う」ことが大切。そこに光を当て、居場所を与えてあげる。無理にポジティブに持って行くのは、結局はその感情の抑圧になってしまい、返ってこんがらがっていく。

かなり抽象度の高い話になってしまったが、これは経験的にしか理解できない領域なので、言葉で把握してもらうのは難しい。スローライフコーチングを受けて頂ければ、少しエッセンスが実感できるかもしれないけれども。

アバターから学んだことはかなりたくさんあり深いものだが、僕はどういったメッソッドにも一長一短があると思っている。あくまでも一つのツールとして捉えている。
けれども、この視点を得たことで、意識の領域や現実の捉え方の理解、言葉を換えればスピリチュアルな領域への理解が格段に上がった。