自分なりのスタイルの模索 TOECでの学び

コーチングとの出会いについて書いてきたが、自分なりにどう学びを深めてきたかを振り返ってみよう。僕は、コーチングを深めるために学んで来たわけではないが、結果として、今展開しているスローライフコーチングにつながっていることがたくさんあるのです。

ひとつの衝撃的な出来事は「TOEC(徳島アウトドアエデュケーションセンター)」での学びだった。
「フリースクールセミナー」という3泊4日のプログラムに参加した。2011年9月のこと。2013年11月には「カウンセリングワークショップ」という3泊4日のプログラムにも参加した。

TOECは、「学ぶ」「育つ」という点で、本質的な場を提供しているかなり質の高い場だと思う。個人的にはその質はずば抜けていると思っている。
「気持ちに寄り添う」ということを丁寧に実践していること、スタッフのメタスキルが高いこと、セミナーやワークショップの空間&時間自体が平和であること。

「気持ちに寄り添う」ということは、これまでも聞いたことのあったフレーズ。けれども、これが「そういうことなのか!?」と腑に落ちる経験がTOECではいくつもあった。

カウンセリングワークショップの中で、参加者が内側に抱えている気がかりを話してくれた。僕はタイプ的に「ゲゲゲ、それはまずいね。どうしたら良いんだろう?」と即座に解決策を探る傾向がある。
が、その場では、その当人の気持ちに徹底的に向き合っていった。しかも、すごく自然なスタイルで。
そして、いろいろなワークを経て、とにかく本人の気持ち、何をどう感じているかを大切にしていった。そしたら、本人が「そっか、こうしたら良いんだね」って自分で答えを見つけて一歩進んでいけるモードになったのだ。
「受け止める」「気持ちを聞き合う」「気持ちに寄り添う」ということのパワーを目の当たりにした。

これまで断片的に学んでいたカウンセリング系のことが、体験的に腑に落ちた。
「気持ち」「感情」ということの繊細さとそこへ向き合うことへの大切さ。
と言いつつ、僕の現実の中ではまだまだハードルが高い領域ではある。

もう一点、「メタスキル」という概念もすごく響いた。
これはTOEC代表の伊勢達郎さんが話してくれた内容だった。
「ここでのプログラムは小手先のスキルを伝授するものではありません。スキルというのは、氷山の一角。上に見えている部分ね。けどね、そのスキルを下支えしているより大きな土台があるんですよ。それをメタスキルと言います。言葉を換えると、その人の在り方になるかな。その人が自分の気持ちにちゃんと寄り添えているか?誤摩化していないか?自分の気持ちにちゃんと居場所を与えてあげる。ありのままの自分を受け入れる。それがメタスキル、在り方につながります。そういったことをぜひ、合宿中に感じ取って欲しい」と。

で、伊勢さんは本当に自由奔放に合宿中に過ごしていた。朝から「いやぁ、なんだか、良い朝だねぇ。お正月みたいだねぇ。お酒飲んじゃおっかな」と言い出して、実際に熱燗を飲み始めたり。。。「いやぁ、今日も良い朝だ『おはようビール!』プシュッ!!!
もちろん、それで、その後の仕事ができないような状態にはならない。いつでも頭脳明晰。
これには「ほ〜、本当にありのままで良いんだ」とかなり衝撃的だった。

「プログラムの主催者としてどうあるべきか」といった固定観念や思い込みは、ひとつの視点でしかない。
参加者一人ひとりに丁寧に向き合い、対応し、冗談を飛ばしつつ会場を和ませ、スタッフとのやり取りも非常に平和的。どうやら、それを天然自然でやっているように見えた。「ああ、これがメタスキル=在り方」なんだ、と深く感心した。

TOECでの学びを通じて、「気持ちに寄り添う」ということ「小手先の技術ではなくメタスキルが大切」ということをすごく意識するようになった。
まだ、自分としてはまだまだ未熟な部分がかなりあるけれど。
これは、今展開しているスローライフコーチングでも大切にしていることなのです。